Oregon Pinot Noir

オレゴンワインを最初に世界に知らしめた”デイヴィッド・レット”は、オレゴンワイン産業の歴史の語り草となる象徴的存在で、”オレゴンのピノ・パパ”と呼ばれ親しまれています。

シカゴで生まれ、ソルトレイク・ シティで育ったデイヴィッドは大学で哲学を学んだ後、歯科医になろうと心に決めていたましたが、ある夏、ナパ・ヴァレーをドライブした際にワインの魅力に惹かれ、ワインメーキングの道に進むべく、UCデイビス校で栽培・醸造学を取得。 1964年にデイビス校卒業した後、ピノ・ノワールに適した産地を知るためヨーロッパへ渡り、ブルゴーニュとアルザスの生産者を尋ね廻ります。
帰国後、ピノノワールを植えるのにもっとも適した産地は温暖で涼しいオレゴンだと悟り、1966年にダンディー・ヒルズにブドウを植えはじめました。
1979年パリでワイン&フード誌、ゴーミヨの主催により開かれた、ブラインド・テイスティングによるワインオリンピックで、『アイリー』の1975年ピノ・ノワール・サウスブロックはベスト10に入り、さらに翌年ジョセフ・ドルーアン主催のコンペティションでもベスト2に入り、その後のドルーアンのオレゴン進出を決定づけました。

レット氏はアメリカで最初にシングル・ヴィンヤードのワインを手がけた生産者であり、またアメリカでピノ・グリからワインを造った最初のワインメーカーでもあります。ダンディー・ヒルズに4つの自社畑を所有し、最初に植えられたサウスブロックの畑近隣からは長期熟成に耐えうるリザーブワインが造られます。
伝統的なブルゴーニュスタイルを継承し、野生酵母による自発的自然発酵が行われ、ワインはすべて使い古しのパンチョンで仕込まれます。アイリーのピノ・ノワールは淡い色調をもち、非常に繊細なスタイルで、数年寝かせるとすばらしい熟成味を醸し出します。ブドウを最初に植えたヴィンヤードにある杉の木に鷲の家族が舞い降りたことから、アイリー(高巣)がワイナリー名となりまた。

  
 

 

ムートン・ノワール(変わり者)は、NYでソムリエとして活躍していたアンドレ・マックが2007年に興したブランド。
“ワインはエリートのためにある飲み物ではなく、各々が自由なライフスタイルで愉しむもの” がアンドレのモットー。ワインのサブカルチャーに、ヒップホップやストリートカルチャーの視点を取り入れ、ユニークなラベルやネーミングをトレードマークにし、自由でクリエイティブなワインライフを提案しています。
1972 年生まれのアンドレ・マックは、2003 年に最年少で北米最高のソムリエのタイトルを獲得した後、フレンチランドリー(ナパ・ヴァレー)、 Per Se( ニューヨーク)などトップクラスのレストランのソムリエとして活躍してきました。 ソムリエを退いた後、レストラン時代にこれまでに交流のあったオレゴンの生産者や栽培家を訪ね、自らワインメーキングのプロジェクトを立ち上げました。ワイナリーや畑を所有せず、契約栽培家からブドウを購入し、ダンディにある複数の小規模生産者が施設を共有するノースウェスト・ワインカンパニーでワインは造るこの方式を【マイクロ・ネゴシアン】と呼んでいます。

限定数でリリースされるムートン・ノワールのワインは、当初、Nのソムリエ仲間のレストランで売られていましたが、評判が広まり、現在はアメリカ主要都市のレストランや、ワインショップで販売され、ヨーロッパへも輸出されています。