カテゴリー: 今月の新入荷

  • エドラダワー30年 1st Fill Sherry Butt #302 1993/2023

    エドラダワー30年 1st Fill Sherry Butt #302 1993/2023

    こちらは、エドラダワー蒸留所の1993ヴィンテージ、30年熟成のシングルカスクです。1stフィル・オロロソシェリーバット熟成。総ボトリング562本、日本入荷は40本のみという、かなり限られたリリースになります。

    エドラダワーは、スコットランド・ハイランド地方、ピトロッホリー近郊にある小規模蒸溜所です。公式創業は1825年。現在でも初留釜・再留釜を各1基のみで稼働しており、“スコットランド最小規模の蒸溜所”として知られています。

    年間生産量は大手蒸溜所とは比較にならないほど少なく、仕込みから蒸留まで、いまも非常に手作業の比率が高いんです。生産スタッフは少人数体制で、一週間に生産されるスピリッツ量もごくわずか。そのため、古くから「幻のモルト」と呼ばれてきました。

    20世紀には、主にブレンデッドウイスキー「キングスランサム」の原酒として使用されていました。このキングスランサムは、戦後の外交史にも名が残る銘柄で、ポツダム会談ではチャーチル首相に供された逸話でも知られています。非常にコストのかかる構成だったため1980年代に終売となりましたが、往年の愛好家の間では、いまなお特別な存在です。

    2002年からは、インディペンデントボトラーとして著名な Signatory Vintage がオーナーとなり、シングルモルトとしてのエドラダワーの評価はさらに高まりました。シェリー樽熟成との相性の良さでも定評がありますね。

    このボトルは、その魅力がかなりはっきり出ています。30年熟成らしい深いダークカラー。グラスに注ぐと、ドライアプリコット、サルタナレーズン、カカオ、古い木箱、湿った葉巻香のようなニュアンス。時間が経つとココナッツや黒糖も出てきます。

    口に含むと、濃密なシェリー由来の甘みが広がるんですが、単に重たいだけではなく、酸やタンニンの輪郭がしっかり残っています。ビターチョコレート、デーツ、オレンジピール、さらに古酒特有のワクシーな質感も感じられて、長熟エドラダワーらしい複雑さがあります。

    アルコールは56%ですが、不思議と刺々しさは少なく、むしろ香味の厚みを支えている印象ですね。シェリー樽長熟モルトがお好きな方なら、一度は試していただきたい一本です。木箱入りの特別仕様ということも含め、いまの時代ではかなり贅沢なリリースだと思います。

  • クライヌリッシュ35年|蜜蝋と果実がほどける静かな熟成の極み

    クライヌリッシュ35年|蜜蝋と果実がほどける静かな熟成の極み

    Clynelish 35 Years (Signatory Vintage)

    35年熟成のクライヌリッシュは、そう頻繁に出会えるものではありません。1972ヴィンテージが市場に現れた当時と重なる、ひとつの到達点ともいえる熟成年数です。こちらはシグナトリー・ヴィンテージ、“シミントンズ・チョイス”より、1990ヴィンテージのシングルカスクになります。

    香りは、温かみのあるワクシーさが中心に据わります。パラフィンや蜜蝋に、熟したパイナップルやマンゴーキャンディの甘やかさ。さらに煮詰めたマルメロや洋梨が重なり、ミントやドライフラワーの気配が静かに広がります。バニラケーキのような柔らかな甘みとともに、ほのかに白ワインやスターアニスのニュアンス。磨かれたオークが全体を穏やかに支えています。

    口に含むと、フルーティさはそのままに、やや落ち着いた輪郭を見せます。アプリコットや甘い柑橘、再び現れるパイナップル。そこにわずかな樹脂感と、オレンジフラワーウォーターのような上品な香りが重なります。蜜蝋や花粉の要素に続き、アカシアハニーや軽やかなオークスパイス、砂糖漬けのジンジャー。終盤には、ほのかに紅茶を思わせる落ち着きが感じられます。

    フィニッシュは長くはありませんが、熟した果実の余韻に穏やかなスパイスが寄り添い、わずかにココアの気配を残して静かに消えていきます。

    香りの完成度は際立っています。一方で、味わいは次第に軽やかさを帯びていきますが、この熟成としては、ちょうどいいタイミングでボトリングされた一本だと感じます。

  • アラン18年 静かな夜にこそ似合う一本

    アラン18年 静かな夜にこそ似合う一本

    シェリー樽とバーボン樽で熟成させた原酒を、18年かけて丁寧にヴァッティングしています。時間を重ねることで旨みが引き締まり、複雑さと奥行きが際立ちます。グラスに注ぐと、まずオレンジピールと蜂蜜のやわらかな甘さが立ち上がり、そこにオーク由来の香ばしさとバニラが重なります。さらにミルクチョコレートやブラウンシュガー、ほのかなジンジャーのニュアンスが続き、余韻はビターで長く静かに残ります。

    造り手は、アラン島北部のロックランザ蒸溜所です。1995年にハロルド・カリー氏が設立し、長く途絶えていた島の蒸留文化を現代に蘇らせました。現在は南部の姉妹蒸溜所と役割を分けながら、ブランドの個性を磨き続けています。

    仕込み水にはゴート・フェル山の湧水を使用し、原料には伝統産地の大麦を採用しています。軽いピートで仕上げ、冷却ろ過や着色も行わず、自然の風味をそのままボトルに閉じ込めています。そのため、味わいの奥には土地の個性と造り手の哲学がしっかりと感じられます。

    穏やかでありながら芯のある味わいで、ゆっくりと向き合う時間に寄り添ってくれる一本です。

  • アラン 10年 アラン・バーレイ バッチ001  島の大麦から生まれた最初の答え

    アラン 10年 アラン・バーレイ バッチ001 島の大麦から生まれた最初の答え

    アラン島産大麦100%で造られた、蒸溜所初のローカルバーレイ・シングルモルト。10年熟成の中に、島の土壌と時間、人の手が積み重なった、シリーズの原点となる一本です。

    ボトル概要

    アラン・バーレイ シングルモルト バッチ001は、アラン蒸溜所にとって節目となる一本です。原料となる大麦を100%ローカルバーレイでまかなった、蒸溜所初のシングルモルトとして、世界で18,000本限定でリリースされました。

    熟成は10年。樽構成はファーストフィル・バーボンバレル90%、セカンドフィル・オロロソシェリーホグスヘッド10%。スタンダードのアラン10年と同様の設計思想を踏まえつつ、より原料由来の個性を際立たせる構成となっています。アルコール度数は50.0%です。

    アラン・バーレイという取り組み

    このボトルの核にあるのは、「ファーム・トゥ・グラス(畑からグラスへ)」という明確な思想です。使用された大麦は、アラン島南部にあるベルビュー・ファームで栽培されたオプティック種100%。この農場はカリー家が6世代にわたり耕してきた土地で、現在はドナルド・カリーのもと、約95エーカーの農地で大麦栽培と羊の放牧を循環させながら営まれています。

    年間の大麦収穫量は約2.5トン。その75%が北部ロッホランザにあるアラン蒸溜所へ、残りは姉妹蒸溜所であるラグ蒸溜所へと送られます。2015年にカリー家との協業が始まって以来、「アランの土壌で育った」と胸を張って言えるウイスキーを造るという目標が、今回ようやく形になりました。

    アラン島の大麦がもたらす個性

    降雨量が多く日照時間の少ないアラン島で育つ大麦は、小ぶりでアルコール収量も低いとされています。粉砕や糖化は難しく、麦汁は粘度が高いため、発酵に至るまでの工程には多くの時間と細心の注意が必要です。

    しかし、その手間の先には確かな見返りがあります。こうして生まれるニューメイクスピリットは、軽やかでクリーンでありながら、果実味に富み、自然の樹木を思わせる複雑な樹脂香を含んだ、アランならではの個性を備えています。この原料由来のキャラクターこそが、アラン・バーレイの核となっています。

    テイスティングの特徴

    香りはフレッシュなハーブとシトラスを基調に、バニラやほのかなアニスが重なります。口に含むと、ビスケットを思わせるモルトの甘みとスパイシーなジンジャーのレイヤーが広がり、柔らかなオークとサマーフルーツの瑞々しさがそれを包み込みます。フィニッシュはクリーンでドライ。シトラスとシリアルの繊細な余韻の中に、アランらしいフレッシュさと温かみのバランスが感じられます。

    バーテンダーが語る、この一本

    アラン・バーレイ バッチ001は、派手さで語るウイスキーではありません。島の土壌、大麦、時間、そして人の手。その積み重ねを示してくれる一本です。

    グラスに注ぐと、まず軽やかさが印象に残ります。しかし飲み進めるうちに、モルトの芯の強さと、樽に頼りすぎない素直な味わいがじわりと伝わってきます。10年という熟成の中で、「原料が語る余地」をきちんと残していることが、このボトルの魅力だと感じます。

    これから毎年、生産農場や樽構成を変えながら続いていくシリーズの、最初の一歩。その始まりを味わうという意味でも、今このタイミングで向き合っておきたい一本です。

  • G&M Mr. George Legacy Glen Grant 1954 70yo

    G&M Mr. George Legacy Glen Grant 1954 70yo

    創業130周年を迎えた名門ゴードン&マクファイル(G&M)は、同社の2代目当主ジョージ・アーカート氏へのオマージュとして、希少かつ超長期熟成のシングルモルトを瓶詰めした特別なシリーズを展開してきました。第5弾はその集大成であり、1954年に蒸留、70年もの長きにわたってファーストフィル・シェリーパンチョンで熟成されたグレングラントが登場しました。

    このボトルは、ジョージ氏の“完璧な一杯”への情熱を象徴する存在であり、スピリッツ、オーク、そして時間を極めた哲学が凝縮された1本です。

    歴代レガシーを徹底比較:5本の個性と魅力を一挙紹介

    このシリーズは、以下の5つのヴィンテージ・グレングラントで構成されています。すべてファーストフィル・シェリー樽熟成でありながら、それぞれが異なる香味を備えています。

    第1弾
    1953年12月24日 67年 59.4% シェリーバットNo.4209 355本 レーズン、干しイチジク、ランシオ香、キャラメルとチョコ、リコリス、焦げたオーク

    第2弾
    1957年 64年 56.1% シェリー樽No.3438 298本 ベリー、ダークチョコ、紅茶、ユーカリ、熟成オーク、黒胡椒

    第3弾
    1959年10月15日 63年 56.5% シェリーバットNo.3665 368本 ブラウンシュガー、赤果実、チョコ、ナツメグ、熟成感

    第4弾
    1958年 65年 59.4% シェリー樽No.3818 376本 オレンジピール、エスプレッソ、キャラメル、ランシオ、冷燻

    第5弾
    1954年4月24日 70年 50.5% シェリーパンチョンNo.1823 130本 バニラファッジ、赤リンゴ、くるみ、キャラメルバナナ、ダークチョコ、スモーキーな余韻

    入手困難な伝説の一杯:コレクターが追い求める理由

    このクラスの超長期熟成は、ただ飲むためのウイスキーという枠を越えています。口に含む楽しみはもちろんのこと、コレクションとして、そして文化的遺産としての価値すら宿しています。手に入れるのは容易ではありませんが、ウイスキー愛好家や研究者、そしてコレクターの皆様にとっては、まさに垂涎の的といえる一本です。

    そして、G&Mという歴史ある瓶詰業者が積み上げてきた哲学を知ることは、シングルモルトの奥深さを理解するうえで大きな手がかりになります。ウイスキーの選び方にも、楽しみ方にも、新しい視点を与えてくれるはずです。

    香りは、バニラファッジや焙煎したコーヒーのほろ苦さ、そして豊かな果実香がゆっくりと立ち上がります。一口含めば、赤リンゴの甘み、ドライオレンジピールのほろ苦さ、キャラメルバナナの厚み。そこにタバコやチョコレート、ほのかなスモークが寄り添い、70年という時がまとめあげた重層的な世界をつくり出しています。

    シリーズを通して感じられるのは、G&Mの熟成技術と、ジョージ氏が掲げた“完璧な一杯”への哲学が、一本ずつ形を変えて結晶化していることです。このウイスキーは、時間の重みと、人の情熱が静かに織りなした、ひとつの芸術品といっても過言ではありません。

  • シングルモルト嘉之助 Artist Edition #4

    シングルモルト嘉之助 Artist Edition #4

    眠れる「金(ごん)」を探すように、一杯のグラスを手にしてみませんか。

    KANOSUKEの限定シリーズ「Artist Edition」第4作は、五行思想の「金」をテーマにした特別なウイスキーです。ラベルを手掛けたのはアーティストの湯浅景子さん。幾重にも色を重ねて削り出すような独自の技法で、「土の中から光を放つ金」を描き出しています。ボトルに触れた瞬間から、すでにアートと酒の世界が重なり合うような体験が始まります。

    中身はというと、KANOSUKEの象徴である3基のポットスチルを駆使し、ノンピート麦芽から生まれた多彩な原酒をヴァッティング。艶やかな果実味をもつスピリッツスチル2の原酒に、日本でも珍しい3回蒸留のバーボン樽原酒を合わせて深みを与えています。さらに、鹿児島・日置の地で熟成させたアイラ樽原酒が加わり、アイラ島と日置のふたつの潮風が重なり合う余韻を生み出しました。

    グラスを近づければ、ローズヒップの甘酸っぱいアロマに、ライチやはちみつの味わいが寄り添い、最後にはしっとりとした潮風の余韻が残ります。色は明るいゴールド。その輝きと香味は、まるで土中に眠る金を掘り当てるような感覚をもたらします。

    「金(ごん)」の名にふさわしい輝きと、重なり合うアロマと潮風。ぜひ、カウンターでじっくりと味わっていただきたい一本です。

  • YAMATOUMI GIN

    YAMATOUMI GIN

    「YAMATOUMI GIN 13TH BATCH」は、2025年5月13日に蒸留されたアルコール度数37%のスピリッツで、500本限定生産となっております。麦焼酎と粕取り焼酎をベースに、ホーリーバジルやジュニパーベリーを含む20種のボタニカルを使用しています。冷凍・乾燥素材を中心に蒸留し、畑で芽吹いたフレッシュなミントや百花蜜を加えることで、丸みのある味わいに仕上がりました。濁りは旨みとしてお楽しみいただけます。ハーバルな香りは温度によって表情を変え、ストレートや食前・食後など幅広いシーンでお試しいただけます。収穫から瓶詰めまで全て手作業で仕上げられた、野尻湖畔の畑から届く特別な一本です。

  • ジェムソン18年

    ジェムソン18年

    18年以上の歳月を重ねた、特別な一杯、ジェムソン18年。


    伝統的な製法で造られたスーパープレミアムなアイリッシュウイスキーです。マスターブレンダーが厳選した原酒を、ポットスチルウイスキーをはじめとする3種の個性でブレンド。上質なバーボンバレルとシェリーバットで18年以上熟成し、さらにアメリカンオーク樽で6ヶ月以上の追熟を重ねることで、ジェムソンらしいスムースさに複雑さとエレガンスが加わりました。

    グラスを近づけると、ウッディな香りと、スパイシーでトフィーのような甘やかさが立ち上ります。口に含めば驚くほどなめらかで、トフィーやスパイスの濃厚な味わいに、ウッドやレザーのニュアンスが重なり、かすかにシェリーとナッツ、そしてバニラの甘さが調和していきます。

    余韻は非常に長く、ウッドやスパイス、トフィーの風味が静かに続きます。おすすめはストレートやロックで、じっくりとその豊かさを味わっていただくこと。もちろん、ハイボールにしても爽やかで奥行きのある一杯になります。

    特別な日のお祝いに、大切な方へのギフトに、そして静かに自分を労う夜にも。ジェムソン18年は、長い時間をかけて育まれた厚みのある味わいで、きっと忘れられないひとときをもたらしてくれます。

  • カリラ41年1989/2024 54.3% キングスバリー35周年記念ボトル

    カリラ41年1989/2024 54.3% キングスバリー35周年記念ボトル

    この熟成年数でオロロソ樽熟成のカリラは、おそらく唯一無二の存在だろう。100万分の一、もしくはそれ以上に幸運な人だけがこのウイスキーにありつける。マホガニー色の外観は、これから起こる並外れたことへの期待値を上げる。香りは、濃い塩キャラメルの桶に飛び込みたくなるような、極上な体験。素晴らしい香りの後、口にすると濃厚でリッチなビターチョコレートのようなテクスチャー。フレーバーは非常に豊かで、糖蜜を絡めたダークカラメルトフィーの味わい。よく焼かれたダークフルーツケーキにシェリー樽由来の甘い一撃が加わり、時間をかけて楽しむ必要がある力強いウイスキー。フィニッシュもまた壮大で、じっくりと味わわないといけない。

キングスバリー社はスコットランド・アバディーンで設立され、1989年からシングルモルトのボトリングを開始し、現在はエジンバラを拠点に専門的な蒸留酒を取り扱うインディペンデント・ボトラーです。

創業35周年を迎え、アニバーサリーボトルを立て続けにリリースし、モルトファンの注目を浴びていますが、今月も超弩級のアイテムが登場いたしました。



    アイラでも屈指の人気蒸留所カリラのオロロソ樽長期熟成品で、なんと80年代初頭蒸留、41年熟成という驚異のアイテムです。画像をみていただいてもその濃厚な色合いに期待感しかないボトルですが、ゴードンライト氏のコメントをみてもわかるとおり、このクラスの古酒シェリー樽カリラが現存することにも驚きです。



    まさに唯一無二、キングスバリー社秘蔵中の秘蔵アイテムといっていいでしょう。当然生産数は104本しかなく、もしこれがオフィシャルボトルだったら、一体どのくらいの価格になるのだろうと、思わず想像してしまいます。壮大な味わいを体感して、カリラの持つポテンシャルに驚嘆していただきたいと思います。

  • マルスウイスキー Malt Duo

    マルスウイスキー Malt Duo

    2016年、鹿児島と北海道それぞれの地で蒸留を開始したマルス津貫蒸溜所と厚岸蒸溜所。気候風士が全く異なるこの二つの蒸溜所は、2018年に互いのモルト原酒を交換し、それぞれの地で熟成を始めました。

    このボトルは、マルス津貫蒸溜所で熟成させた「津貫」「厚岸」二つのモルト原酒をヴァッティングしたブレンデッドモルト、ジャパニーズウイスキーです。同時期に遠く離れた地でポットスチルに火を灯した、津貫と厚岸の協演をどうぞお楽しみください。