ラフロイグがウィレム・デフォーとともに手がけた、世界で数量限定販売される14年熟成のアイラ・シングルモルトです。
このボトルで面白いのは、単にデフォーの名前を冠しただけではなく、本人がウイスキーの選定に参加していること。
ラフロイグのシニア・ウイスキー・ブレンダー、サラ・ダウリングとともに複数の候補をテイスティングし、テイスティングノートやガイダンスなしに、自身の感覚でこのウイスキーを選んでいます。
選ばれたのは14年熟成のラフロイグ。オロロソ・シェリー樽でフィニッシュされ、アルコール度数53.7%でボトリングされています。
ラフロイグは、アイラ島南岸に位置する蒸溜所。力強いピートスモークをはじめ、海藻や潮、薬品を思わせる独特の香味を持つシングルモルトとして知られています。
「Willem by Willem」では、14年熟成のラフロイグに、オロロソ・シェリー樽でフィニッシュを施しています。
また、一般的なウイスキーに見られるような詳細な公式テイスティングノートをあえて設けていません。
とはいえ、香味について何も示されていないわけではありません。
公式には、スモークは「はっきりと感じられる深いピート」、パレットは「海塩、スパイス、穏やかな甘み」、キャラクターは「幾層にも重なり、変化し、定義しにくい」、フィニッシュは「長く、スモーキーで、口中を潤すような印象」と、簡潔な指標が示されています。
それ以上に個々の香味を細かく説明せず、飲み手自身の感覚に委ねる余地を残しているのが、このボトルの特徴です。
これは、デフォー自身がウイスキーを選んだ方法ともつながっています。
複数の候補について、あらかじめ細かな香味の情報を得てから判断するのではなく、実際にグラスから感じ取ったものをもとに選ぶ。飲み手にも同じように、先入観をできるだけ持たずに、このラフロイグと向き合ってほしいという考え方です。
一般的なウイスキーなら、「スモーキー」「フルーティー」「スパイシー」といった香味の説明を読んでからグラスを傾けることも多いでしょう。
この一本では、そうした情報から少し離れて、まず自分で香りを取り、口に含み、どのような香味を感じるのかを確かめてみる。
14年熟成、オロロソ・シェリー樽フィニッシュ、アルコール度数53.7%。
スペックは明確ですが、そこからどのような香りや味わいを感じ取るかまでは、細かく決められていません。
先入観を持たずにグラスを傾け、自分自身の感覚で味わう。
そんな楽しみ方も含めた「Willem by Willem」です。
