平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら、下記の期間を夏期休業とさせていただきます。
夏期休業期間
令和6年8月14日(金)~ 8月16日(日)
※8月12日(水)・13日(木)は営業しております。
8月17日(月)より通常通り営業いたします。
期間中はご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承のほどお願い申し上げます。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

こちらは、インディペンデントボトラーの Edition Spirits がリリースしたベンリアック25年です。シリーズは同社の最上位レンジにあたる「Author’s Series」。特に個性が際立つ樽だけを選び、偉大な作家たちへの敬意を込めてボトリングされるプレミアムシリーズになります。
Edition Spiritsは、「Old Malt Cask(OMC)」で知られる Hunter Laing のアンドリュー・レイン氏が手掛けるボトラーです。看板シリーズである「First Editions」は“初版本”を意味し、時を経て価値を高める書籍の初版になぞらえたネーミングとして知られています。
今回のボトルで注目したいのは、1998年蒸留のベンリアックである点です。
現在のベンリアックは華やかな果実香やトロピカルフルーツの個性で高く評価されていますが、この原酒が造られた1990年代後半は、まだ現代的なスタイルが確立する以前の時代です。麦芽由来の厚み、ナッティな風味、わずかにオイリーな質感を備えた、いわゆる「旧時代のベンリアック」の特徴を残した原酒といえるでしょう。
さらに25年間をシェリー樽で熟成し、ボトリング時のアルコール度数は56.6%。長期熟成による凝縮感とカスクストレングスならではの力強さを兼ね備えています。
香りは焼き色のついたレモンタルトやパイ生地、ジンジャー、マヌカハニー。続いて糖蜜やアーモンド、ドライフルーツのニュアンスが広がります。時間の経過とともにクルミ、古いオーク、ココアを思わせる香りも現れ、複雑な表情を見せてくれます。
口に含むと、レモンメレンゲや蜂蜜を思わせる甘みから始まり、ダークチェリー、黒糖、ドライプルーン、エスプレッソへと変化していきます。シェリー樽の存在感はかなり明確ですが、樽に支配されるのではなく、ベンリアックらしい黄桃やアプリコットを連想させる果実味が奥に残っているのが印象的です。
また、このボトルはストレートだけでなく、加水による変化も楽しみたい一本です。数滴の加水で閉じていた果実香が開き、シェリー由来の重厚さと蒸留所本来のフルーティさのバランスがより鮮明になります。
長熟シェリータイプのモルトは数多くありますが、1990年代のベンリアック原酒を25年という歳月で育て上げたボトルは決して多くありません。蒸留所の個性と樽の個性、その両方をじっくり味わいたい方におすすめしたい一本です。

こちらは、エドラダワー蒸留所の1993ヴィンテージ、30年熟成のシングルカスクです。1stフィル・オロロソシェリーバット熟成。総ボトリング562本、日本入荷は40本のみという、かなり限られたリリースになります。
エドラダワーは、スコットランド・ハイランド地方、ピトロッホリー近郊にある小規模蒸溜所です。公式創業は1825年。現在でも初留釜・再留釜を各1基のみで稼働しており、“スコットランド最小規模の蒸溜所”として知られています。
年間生産量は大手蒸溜所とは比較にならないほど少なく、仕込みから蒸留まで、いまも非常に手作業の比率が高いんです。生産スタッフは少人数体制で、一週間に生産されるスピリッツ量もごくわずか。そのため、古くから「幻のモルト」と呼ばれてきました。
20世紀には、主にブレンデッドウイスキー「キングスランサム」の原酒として使用されていました。このキングスランサムは、戦後の外交史にも名が残る銘柄で、ポツダム会談ではチャーチル首相に供された逸話でも知られています。非常にコストのかかる構成だったため1980年代に終売となりましたが、往年の愛好家の間では、いまなお特別な存在です。
2002年からは、インディペンデントボトラーとして著名な Signatory Vintage がオーナーとなり、シングルモルトとしてのエドラダワーの評価はさらに高まりました。シェリー樽熟成との相性の良さでも定評がありますね。
このボトルは、その魅力がかなりはっきり出ています。30年熟成らしい深いダークカラー。グラスに注ぐと、ドライアプリコット、サルタナレーズン、カカオ、古い木箱、湿った葉巻香のようなニュアンス。時間が経つとココナッツや黒糖も出てきます。
口に含むと、濃密なシェリー由来の甘みが広がるんですが、単に重たいだけではなく、酸やタンニンの輪郭がしっかり残っています。ビターチョコレート、デーツ、オレンジピール、さらに古酒特有のワクシーな質感も感じられて、長熟エドラダワーらしい複雑さがあります。
アルコールは56%ですが、不思議と刺々しさは少なく、むしろ香味の厚みを支えている印象ですね。シェリー樽長熟モルトがお好きな方なら、一度は試していただきたい一本です。木箱入りの特別仕様ということも含め、いまの時代ではかなり贅沢なリリースだと思います。

Clynelish 35 Years (Signatory Vintage)
35年熟成のクライヌリッシュは、そう頻繁に出会えるものではありません。1972ヴィンテージが市場に現れた当時と重なる、ひとつの到達点ともいえる熟成年数です。こちらはシグナトリー・ヴィンテージ、“シミントンズ・チョイス”より、1990ヴィンテージのシングルカスクになります。
香りは、温かみのあるワクシーさが中心に据わります。パラフィンや蜜蝋に、熟したパイナップルやマンゴーキャンディの甘やかさ。さらに煮詰めたマルメロや洋梨が重なり、ミントやドライフラワーの気配が静かに広がります。バニラケーキのような柔らかな甘みとともに、ほのかに白ワインやスターアニスのニュアンス。磨かれたオークが全体を穏やかに支えています。
口に含むと、フルーティさはそのままに、やや落ち着いた輪郭を見せます。アプリコットや甘い柑橘、再び現れるパイナップル。そこにわずかな樹脂感と、オレンジフラワーウォーターのような上品な香りが重なります。蜜蝋や花粉の要素に続き、アカシアハニーや軽やかなオークスパイス、砂糖漬けのジンジャー。終盤には、ほのかに紅茶を思わせる落ち着きが感じられます。
フィニッシュは長くはありませんが、熟した果実の余韻に穏やかなスパイスが寄り添い、わずかにココアの気配を残して静かに消えていきます。
香りの完成度は際立っています。一方で、味わいは次第に軽やかさを帯びていきますが、この熟成としては、ちょうどいいタイミングでボトリングされた一本だと感じます。

Arran Single Malt 25 years old
アランモルト25年は、バーボン樽熟成原酒を65%、シェリー樽熟成原酒を35%ヴァッティングし、さらにシェリーホグスヘッドで12ヵ月追熟をかけた25年ものになります。総ボトリングは3,000本限定。蒸留所の到達点ともいえる一本で、木製BOXの特別仕様も含めて存在感があります。
香りはドライイチジクやサルタナ、熟したブラックチェリーに、しっかりとしたオーク。奥にナツメグのニュアンスがほんのり感じられます。口に含むと、トーストしたアーモンドとシナモンを効かせたフルーツケーキのような厚み。マンダリンやマヌカハニー、ブラウンシュガーが重なり、焼いたアプリコットの甘みとホワイトペッパーのアクセントが広がります。
余韻はダークチョコやダークフルーツのコンポートへと移り、スパイスを伴ったクリーミーな長いフィニッシュです。
北新地でゆっくり時間をかけて楽しんでいただきたい一本ですね。

オークニー20年、シグナトリーのカスクストレングスです。1stフィルのオロロソ・シェリー・バット、度数は55.2%。ですが、構えるほどの強さは感じません。ヘザーハニーの柔らかい甘さが先に立って、アルコールの角はうまく丸められています。昔の18年を思い出すような、落ち着いたバランスの良さがありますね。
香りは、革張りのソファーのような重厚さに、ダークシェリーやナッツ。そこへ湿ったタバコやドライイチジク、オレンジのチョコが重なってきます。
口に含むと、アカシアの蜂蜜やクリームの甘みがなめらかに広がります。オレンジやイチジクのドライフルーツ、チョコレート、メープル、ラムレーズン…その奥にほんのりとスモークが寄り添って、全体をやさしくまとめてくれます。
余韻はあたたかく、トフィーやレザー、チョコレートのコクが続いたあと、最後に軽くペッパーが効いて、きれいに締まります。北新地でゆっくり時間をかけて楽しんでいただきたい一本です。

シェリー樽とバーボン樽で熟成させた原酒を、18年かけて丁寧にヴァッティングしています。時間を重ねることで旨みが引き締まり、複雑さと奥行きが際立ちます。グラスに注ぐと、まずオレンジピールと蜂蜜のやわらかな甘さが立ち上がり、そこにオーク由来の香ばしさとバニラが重なります。さらにミルクチョコレートやブラウンシュガー、ほのかなジンジャーのニュアンスが続き、余韻はビターで長く静かに残ります。
造り手は、アラン島北部のロックランザ蒸溜所です。1995年にハロルド・カリー氏が設立し、長く途絶えていた島の蒸留文化を現代に蘇らせました。現在は南部の姉妹蒸溜所と役割を分けながら、ブランドの個性を磨き続けています。
仕込み水にはゴート・フェル山の湧水を使用し、原料には伝統産地の大麦を採用しています。軽いピートで仕上げ、冷却ろ過や着色も行わず、自然の風味をそのままボトルに閉じ込めています。そのため、味わいの奥には土地の個性と造り手の哲学がしっかりと感じられます。
穏やかでありながら芯のある味わいで、ゆっくりと向き合う時間に寄り添ってくれる一本です。
旬の食材で彩るお得なコースです。
※お一人様 ¥ 12,000(税別) ※前日迄にご予約下さい。
※他に、その時期の高級食材を使った、¥ 18,000、¥24,000のコースもございます。

1st Fill Sherry Butt #302 1993/2023 559 of 562
1stフィル・シェリーが語る静かな到達点
ボトル概要
この一本は、その前提をすべて満たしたうえで、なお余白を残すウイスキーだ。
エドラダワーは、スコットランドでも最小規模とされる蒸留所のひとつだ。初留釜と再留釜は各一基のみ。人の手が無理なく届く範囲で、今も蒸留が続けられている。生産量が少ないのは、希少性を狙った結果ではない。変えなかった結果、自然とそうなっただけだ。
20世紀の大半、エドラダワーは「キングスランサム」というブレンデッドウイスキーの中核モルトを担っていた。贅沢すぎる造りゆえ、キングスランサムはやがて姿を消すが、その評価の高さは今も語られる。現在、蒸留所は大手ボトラーである シグナトリー・ヴィンテージ の所有となり、オフィシャルボトルとしてのエドラダワーも、世界的に知られる存在となった。
1stフィルのオロロソ・シェリー樽は、色と香味の影響が非常に強い。短期熟成では樽が前に出すぎることもあるが、30年という時間があれば話は別だ。樽と原酒が拮抗し、やがて溶け合う。このバランスに到達できる原酒は、決して多くない。
30年熟成は、単に長いだけでは意味を持たない。若さは削がれ、角は丸まり、残るのは骨格と静けさだ。このエドラダワーは、時間を重ねた結果として、「強さ」ではなく「落ち着き」を選び取った一本だと感じる。
カウンターに立っていると、ときどき説明を控えたくなるボトルに出会います。このエドラダワー30年、1993年蒸留のシングルカスクが、まさにそうした一本です。スコットランド・ハイランドの小さな蒸留所で、変わらぬ規模のまま造られてきた原酒が、1stフィル・シェリー樽で30年を過ごしました。
グラスに注げば、まず色が語り始めます。含むと、アプリコットやレーズン、チョコレートのニュアンスが感じられます。甘さはありますが、決して軽くはありません。長い熟成を経たモルトだけが持つ、静かな厚みがゆっくりと広がっていきます。
数は多くありません。ですが、急がせるつもりはありません。もしこの一本と出会われたなら、その夜の流れに身を任せて、ゆっくりと向き合っていただければと思います。

スプリングバンク蒸溜所の90年代原酒が入っている2019年ボトリングのロングロウ21年。シェリー/バーボン比率は60:40です。このリリースが出た2019年から21年が定番商品となりました。時間の経過とともに変化が感じられるスプリングバンク蒸溜所からのリリース、ボトリングから6年以上経って樽感もピートもこなれたこの1本、ぜひ改めてお楽しみください。香りは濃厚なシェリーやココア、濃く淹れたグァテマラコーヒーの甘い香り、あまり強くないスモークと甘酸っぱい赤いフルーツ。に含むと波の強い冬の海岸の波打ち際でで焚き火をしながら食べる甘いチョコレートやダークチェリー、塩キャラメル。砂糖漬けのオレンジやドライアプリコットにジンジャースパイス、ローストしたアーモンド。フィニッシュは軽い薬品臭、赤いフルーツの甘酸っぱさとスモークされたバニラ、アーモンドが入ったリキュールが長く続きます。
スプリングバンク蒸溜所の違い
Hazelburn(ヘーゼルバーン)
Longrow(ロングロウ)
Springbank(スプリングバンク)
は、すべて同じ蒸溜所(スプリングバンク蒸溜所/キャンベルタウン)で造られていますが、�麦芽の乾燥方法(ピート量)と蒸溜回数の違いによって、まったく異なる個性を持っています。
Springbank(スプリングバンク)
蒸溜所の看板・中核となるスタイル
ピート:軽く使用(ミディアムピーテッド)
蒸溜回数:2回半蒸溜(非常に珍しい)
味わい
潮気、オイリーさ
モルトの甘み
ほのかなスモーク
フルーティーさとスパイスのバランス
「キャンベルタウン・モルト」の代表格 複雑で通好み、でも飲み疲れしにくい。
Longrow(ロングロウ)
スプリングバンクの“ヘビーピート路線”
ピート:強く使用(ヘビーピーテッド)
蒸溜回数:2回蒸溜
味わい
力強いスモーク
焦げた麦、焚き火
潮風・ヨード香
重厚でドライ
アイラ好きに刺さるが、アイラとは違うオイリーさ男性的・骨太なスタイル
Hazelburn(ヘーゼルバーン)
完全ノンピート&最もクリーン
ピート:不使用(ノンピート)
蒸溜回数:3回蒸溜
味わい
非常に滑らか
洋梨・リンゴなどの果実味
蜂蜜、バニラ
透明感のある甘さ
スプリングバンクの中で最も軽快ウイスキー初心者や食後酒にも向きます。
同じ蒸溜所でここまで性格が違うのは非常に珍しく「飲み比べ」が一番面白い蒸溜所のひとつです。