シェリー樽とバーボン樽で熟成させた原酒を、18年かけて丁寧にヴァッティングしています。時間を重ねることで旨みが引き締まり、複雑さと奥行きが際立ちます。グラスに注ぐと、まずオレンジピールと蜂蜜のやわらかな甘さが立ち上がり、そこにオーク由来の香ばしさとバニラが重なります。さらにミルクチョコレートやブラウンシュガー、ほのかなジンジャーのニュアンスが続き、余韻はビターで長く静かに残ります。
造り手は、アラン島北部のロックランザ蒸溜所です。1995年にハロルド・カリー氏が設立し、長く途絶えていた島の蒸留文化を現代に蘇らせました。現在は南部の姉妹蒸溜所と役割を分けながら、ブランドの個性を磨き続けています。
仕込み水にはゴート・フェル山の湧水を使用し、原料には伝統産地の大麦を採用しています。軽いピートで仕上げ、冷却ろ過や着色も行わず、自然の風味をそのままボトルに閉じ込めています。そのため、味わいの奥には土地の個性と造り手の哲学がしっかりと感じられます。
穏やかでありながら芯のある味わいで、ゆっくりと向き合う時間に寄り添ってくれる一本です。
